キャットウォーク

青い惑星 辿り着いて 9000と699日

月影に撓る影 彼は野心家な野良猫

「この星の残り寿命 持ったとしてもあと数年くらいだろう」

迷いのない瞳 月だけを見据えていた

颯爽と駆け上がる螺旋階段 空高く立てた尻尾

「いっそ彼の地でまた新しい文化、景色、世界を創造しよう」

月へ飛び立った 成層圏を超え

浮かぶゼログラビティー

鼻唄まじり彼は行く 遥か遥か遥か遠くまで

U.F.O.手懐けて 未知の生命体とハミング

「さぁもっと楽しませてくれ!」

希望という軌道に乗って キャットウォーク

長いようで 長かった 9000と699日

彼は退屈していた 銀河と出逢うまでは

磨かれた爪と牙 飛んで来るデブリ 一網打尽

「朝飯前の距離だ およそ38,4400km」

やがてカーマンライン 突破して

味方にしたゼログラビティー

燃え立つ光輪(ヘイロー)くぐり抜け 踊れ踊れ踊れ愉快に

振り返った故郷は 彼がいつも見上げてた

星たちと区別もつかない

「今はなき蒼き球体に アディオス!」

月へ飛び立って どのくらい経つだろう

旅立つ者とは 即ち何かを葬る者

迫る迫る迫る 円

ついに降り立った月面で 猫は退屈そうに鳴いた

「さぁ次はどの星へ行こう

先に朽ちるのは僕か?月か?勝負だ!」