十年後

十年後に今を振り返った時

いったいどんな風に見えるんだろう

疫病だ 戦争だ 老いだ 別れだ 嘘っぱちだ

南無三か降参か 棒切れのように立っている

なんべんもなんべんも終わらせた なんべんもなんべんも抱きしめた

しゃがんだり 黙ったり がなったり 笑ったり 振り出しに戻ったり

帰りたくなって さまよって また見失って 明日へ

眠れない夜に響くのはつむじ風が町を横切る音

子供の頃から聞こえる同じ音

何をしたって不純だよって 耳打つ声

いつ頃だ 胸の奥の蛇口を誰か閉めただろう

朝が来ても 夜が来ても 音楽が終わっても 涙が出てこない

帰れなくなって さまよって また見失って 明日へ

弾んだ目をした小学生の眩しい声が過ぎてった

青筋立てたおじさんの本気で湿ったロックンロール

何回目かのバーゲンセールが恋愛のように過ぎてった

何十回目かの菜の花もひまわりも宴会のように散るんだろう

十年後に今を振り返った時 いったいどんな風に見えるんだろう

十年後