Tag: あたらよ

恋するもののあはれ

吹き荒れる風のように 揺れ動く波のように 貴方を想っていたいの 貴方の揺るがぬ視線その先に映る 私が居たならどれほど幸せだったろう ふとした瞬間に薫る 季節の香りを貴方に教えたくなったの 朝焼けが美しいのも 夕焼けが寂しいことも 貴方と知りたいのです 吹き荒れる風のように 揺れ動く波のように 想いが募るほど言葉足らずのようで この胸の痛みさえ 恋するもののあはれ 愛しさ溢れるばかりで 貴方の些細な仕草ひとつさえ伝染る 私が居たからこの想い溢れていくの 声なき想いを綴った手紙の 居場所を貴方に教えたくなったの ...

今夜2人だけのダンスを

今夜2人だけのダンスを 乾かないように愛情を このまま明けない夜に2人 雨上がりの香りが残った 街並みは輝いて見えたの 要らなくなった傘を片手に 水溜まり避けて歩く 2人の背中を 車のライトが照らした 飲み干せない珈琲が 手の中で踊る 今夜2人だけのダンスを 乾かないように愛情をくれよ もっともっともっとって 満たされない心でないてるの 求め合ってしまえば最後 孤独が夜を深くしていく このまま明けない夜に2人 少し湿った部屋の窓際 月明かりが2人を映した ...

夏が来るたび

木漏れ日の中1人歩く 言葉も何も要らないような夏の空 ただ流れる雲の中に 君の影を探していた 揺れ動く夏の風に僕は今 君の声を見ていたんだ ひどく懐かしい香りそのせいで 僕は今もあの日のまま 手放してしまった物の重さに 後悔ばっか募って嫌になる 今でも 夏が来るたびまた君を 思い出してしまうの馬鹿みたいだ いつか忘れてしまえる日が来ることが 怖くて泣いているのでしょう 今でも 掌から零れていく面影を 忘れまいと君を描く夏の海 香りだけが残るから痛むんだ 傷口染みる波の花 ...

13月

次こそは次こそはと泣いて転んでも 顔を上げて生きてきた でもそれもいつしか僕の心蝕み 足元ぐらついてたんだ 知らない見えない振りならできたの でもそれじゃ心死んでいくの知ってたでしょ 心幾つ殺したって大人なんかなれない ねぇ僕がなりたかったものは うざったい世界に蔓延る有象無象が 当たり前のように刃向けて飛んでくる ねぇ「これでいいや」 「これでいいの?」 「これでいいんだよ」 心で心を殺すの ほら、簡単なことでしょう? 「辛い時こそ前を向け笑え」だなんて 無責任な声が云う 私の痛みが お前に分かるわけないだろ あまり笑わせるなよ ...

クリスマスのよる (Christmas Night)

街の灯りがやけに眩しい夜 今年もこの季節か 街に溶け込むことが出来ない僕は イヤホンの音量を上げる 逃げる 世界から クリスマスの夜 甘ったるい光に囲まれて 涙なんか要らないってさ 君が僕に贈った笑顔でさえも あれはサンタってやつの 贈り物だったのかな 甘い甘い甘い甘いケーキなんて要らないからさ ぬるい珈琲を「冷めてしまったね」なんて 笑いながら一緒に味わうそんな日々を 大事にしたかった 愛という名の孤独を持って 今年も眠りにつくから 孤独の味に飽き飽きした夜は どこか悲しくなって ...

また夏を追う

梅雨明けの空滲む街 窓から透ける街灯は まるで月明かりのように 僕らを照らす 欠けた夜空に散らかった 喧騒に紛れる星はまるで 僕らのようさ 自分を隠してる 泣くのはもうやめにするんだ ここからは一人歩くんだ 君以外の誰かをまた愛せるように ほらずっと 僕らはきっとどこかでいつも 何かを間違えていたんだね それでも変われない君を取り残して いつしか僕だけ変わっていたんだ ほら気づけばもう また夏を追う いえない傷が増えていく 取り繕うだけの僕らの日々は ...

青を掬う

はらはらと散る花に ゆらゆらと揺れる風に 言葉を乗せ宙を泳ぐ 忘れないように 微風吹く空を 仰ぎ見る僕ら それぞれの今日を 生きてゆく 真っ青に光る 空を吸い込んで しまいたくなった 届くはずの無い空 手を伸ばし掴んだ 僅かな温もり掌閉じ込め はらはらと散る花に ゆらゆらと揺れる風に 言葉を乗せ宙を泳ぐ 忘れたくないもの 一つ抱えて さよならが青いのは ...

差異

誰かが言っていた 「人が死ぬことと遠くへ行って 会えなくなることに差異はあるのか」と 僕は言えなかった 答えが出なかった 僕ごときじゃ答えが出るような問じゃないのに 走る走る鼓動が走る 揺れる揺れる心が揺れる 逃げる逃げる君のいない方へ 僕もいつかは散るんだってね 壁に向いて咲いていた 花もいつの日か 日の目を浴びるその日 その時を待っているんだ それはまるで僕の 生き写しの様で 可哀想で愛おしくて 指先でそっと摘み取ったんだ 君が置いていった 手紙は今でも ...

悲しいラブソング

悲しいラブソングばかり聴く私を 不安そうな顔で見つめる君 「誰を思って聴いてるの?」って ほらまた泣きそうになってる ごめんね 「いいよ」しか言わない君のことだから 今ここで私が別れを口にしても 「いいよ」って言うんでしょ 強がらせてもくれないのね 「すぐに泣く女は嫌い」って君は言う あぁほんとに何にも分かってないのね この涙は この涙は 君のせいだよ あんなに好きだった匂いも 癖のあるやさしいキスも 全部全部が今じゃ 鬱陶しくて あー、もう要らないや 誰にだって優しい君のことだから きっと今も私の知らないところで ...

52

東の空が白んで 僕は今日を生きていく覚悟をする 心はまだ昨日を生きてる 望むものとは違う世界 誰かが云う他人のせいにするな 誰かが云うお前はもっと出来るはずだ 誰の言葉でもない 言葉達に囲まれ 僕の声はいつしか 溶けてしまったの 花も咲いてゆくのね 散るくせに 吐き出した想いは 目の前で朽ちてく 行かないでと叫ぶ 夢は遠のいて行く 望んでいた未来は こんなはずじゃないと 昨日までの僕が 嘲笑ってる ...

極夜

暁月夜空を見上げた 儚く散った君が泳ぐ空 このまま何処か遠くへ逃げて しまえればいっそ楽なのにな 残った記憶が こびり付いた痛みが 僕を離してくれないんだ 最後の夜に散った 花火をまだ覚えている 月の船は漕ぎ出した 僕を残して君を乗せて どれだけ手を伸ばしたって 届くことの無い場所へ この夜が明けたら 君は空に溶ける 明け方の空 まだ残る月に 思わず触れて しまいたくなった 残った香りが ...

outcry

孤独を飲んで 痛みを知って 弱さを吐いて 強さを飼った それでもまだ 1人はぐれた 世界の隅で 孤独を抱いて 今日も歩く 痛みでさえも 冷え切るほど 深い闇夜の 真ん中で 背負ったものの大きさに 押しつぶされそうな今日に それでも明日を願っている だから今日も 孤独を飲んで 痛みを知って 弱さを吐いて 強さを飼った それでもまだ足りなくて 差し伸べられた手さえ振り払ったんだ 底に残ったのは弱さだ 孤独でさえも 強さを生む そう言い聞かせ 今日に縋る ...

交差点

君が残した言葉が あの交差点で吐いた文字が 今も横断歩道に散らばってると聞いた 集めに行って拾ったけれど 言葉はなんだか紡げなくてさ あぁ、悲しくなったや 虹が空にかかったって はしゃいでいた君はどこへ行ったの 隣で笑顔を振りまいていた 君は君は君はいないや 今更君を追いかけても 届きやしないことくらいは 分かってんだ分かってんだ 痛いほど それでも君に今会いたくて 歩みを止めずに 君に追いつきたくて 必死に足を回してんだ それでも君は遠くへ 遠くへ行ってしまった ...

ピアス

誰でもよかったなんてさ 今更言わないでよ あなたを信じて愛した 私が馬鹿みたいじゃない いつだって手の平の上で 踊らされてる気がしてさ ただの遊びだったのなら もっと早くに捨てて欲しかった ずっとずっとこのままで いれる気がしていたんだよ 「ごめんね」の意味知らないフリ あぁ うざったかっただろうね いっそもっと傷つけて あなたを憎んでしまえるように ぬるい優しさなんて要らないから あなたも泣けばいいのよ 「次は幸せになってね」 あまりに無責任じゃない 「僕よりもっといい人 ...

嘘つき

最近何だか君からの 愛がぬるくなったような気がしてさ 慌てて温め直してみたけど 元通りにはならなくて だんだん不安になっていく心が 不安ではなく呆れに変わって 君を愛する心もいつしか 忘れ憎しみばかり増えていた もう疲れてしまったよ僕はさ 君を愛せる自信が無いとか くだらない嘘をついてみた 「愛してる」とそう言ったのは 紛れもない君の方だったよ それなのに別れを告げるのも また君からなんだね 嘘つき この街はどこへ行っても 君で溢れている様な気がしてさ 痛くて痛くてしょうがないんだよ もう終わりにしたいな ...

10月無口な君を忘れる (10 Tsuki Mukuchina Kimi o Wasureru)

「おはよ。朝だよ。朝っていうかもう昼だけど。私もう時間だから行くね。今までありがとう。バイバイ。」 「最後くらいこっち見てよ。」 こうなってしまうことは本当は最初から分かりきっていたはずだったのに変わってしまうのなら終わりがあるなら初めから何も要らなかったのに ごめんねが痛いからさよならが辛いから涙が染みるから下を向いて歩いていたのに君が笑いかけるからこんなに痛いなら知りたくなかったよ優しさなんて 君はいつだってなんにも言わないくせに顔にはよく出るから正解ばかり探して暗中模索の日々正直もう疲れたの すがりついていた君の思い出は思ったより簡単に崩れてしまったからこのままじゃダメなことくらいは分かってただけど だけど 何一つ変えられなかった ごめんねが痛いからさよならが辛いから涙が染みるから下を向いて歩いていたのに君が笑いかけるからこんなに痛いなら知りたくなかったよ優しさなんて 今すぎた時に何かができるならこのままの僕に何かが変えられるわけが無いのにごめんねが痛いのはさよならが辛いのは全部君のせいだ ごめんねが痛いのにさよならが辛いのに涙が染みるのに君を忘れられなくてこんなに痛いのはさよならをしたから分かっていたのに涙が出るんだ 知りたくなんてなかったこと沢山くれた幸せも忘れない 忘れない忘れられないよ

夏霞

空の青さに目を奪われて 足元の花に気付けないまま 懐かしい風が頬を掠めて 君の香りを今も想ってる ねぇ 今更になって思い出す 色のない世界残る香りに 後悔ばかりが募ってゆく 忘れられないと泣くくらいなら ただ僕らを包めよ夏霞 さよならが痛いのは 苦しいほど知ってるのに あの儚く散る花火の下で 馬鹿みたいに永遠を誓った 今更、思い出すなよ あの夜君が僕に零した 痛みの意味も今なら分かる 気がするんだ きっと今なら きっと今なら 僕らは そう願った ...