Tag: 成世昌平

雪折れ竹

竹がナー 竹が 竹がポンと鳴りゃ 夢から覚める あれは裏山 雪折れ竹よ 夜更けに浮かべる 面影は 遠い都会の あなたの姿… 北風に背中丸めて いやせぬか 人生(みち)に迷って いやせぬか オーホホイ 竹はナー 竹は 竹は一途な 女の想い つらくないのか 雪折れ竹よ 必ず迎えに 来るからと 今も聞こえる あなたの言葉… つまずいて明日を失くして いやせぬか 酒に溺れて いやせぬか オーホホイ 竹もナー 竹も 竹も泣くのか さだめの雪に 恋は哀しい 雪折れ竹よ 淋しく見送る 冬いくつ ここで春待つ 女がひとり… 華やかな街に染まって いやせぬか ...

三味線波止場

女の未練は トチチリチン 涙払って チントンシャン エー切ないね 沈む夕陽に カモメの影絵 噂たよりに 着いた港まち 逢ってどうなる ものでもないが 三味線(しゃみ)を抱いての 探し旅 「お客さん 一曲いかがです」 流して歩く エー面影波止場 海の男の ぶ厚い胸で 知ったぬくもり 忘れられなくて せめて教えて 別れの理由(わけ)を 三味線(しゃみ)も泣いてる 演歌節 「お客さん 一曲いかがです」 潮風(かぜ)さえむせぶ エー面影波止場 夢をつないで 明日(あした)も生きる 三味線(しゃみ)は 私の守り神 「お客さん 一曲いかがです」 あなたが浮かぶ エー面影波止場

三十石船哀歌

紅い灯点る 堀江の新地 掘割上れば あの人の 船唄聴こえる八軒家 夜毎に夢みる徒枕 今日も濡らして来し方想う あれから五年経ちました ヤレサ 三十石船(さんじゅっこく)は淀川の 川面に何を映すやら 造り酒屋の下働きに 十五で出されたこの私(うち)に 誰より優しくしてくれた 兄(あに)さんみたいな人やから それが馴初め 初恋やった 船頭さんに惚れたのは ヤレサ 三十石船(さんじゅっこく)の船唄に 想いを寄せた訳じゃない 父(おや)を亡くした実家のために この身は売られて行く宿命(さだめ) 哀れじゃないかと啼くひばり お前に頼んでおくさかい ...

トンカラリン

春まだき 桜の蕾 まだまだ固い寒い朝 ちょうど二十歳のあのひとは 白い歯見せて出ていった 下駄を投げたらトンカラリン トンカラリン 何度投げても 裏ばかり 二年目に 届いた便り 達者でいると 書いてある 花の都の東京で まぶしい夢は掴めたか 下駄を投げたらトンカラリン トンカラリン 今日も気になる 裏ばかり 音沙汰が途絶えて二年 よくない噂 聞かされた 蒼い顔して行き暮れて 夜空を仰ぎ 吠えてたと 下駄を投げたらトンカラリン トンカラリン 気持裏切り 裏ばかり