#情とは
悴んだ指先でぎこちなく 開いた通知は君からで 嫌に踊る心を隠していた 「あの頃話していた、夢は叶いそう?」 君の昔からの話をごまかす癖 「あのね、実はね、この度、私ね、結婚することになったの」 六畳一間の部屋の隅で 夜風がカーテンを揺らす 今更、僕を捨てた君のことを 想ってやる義理はないよな たった一手間のさじ加減の スパイスが足りなかったようだ 今更、思い出す価値もないのに 過去にすがり泣く自分が 「情けないな」 はにかんだように見せて 君が言う男女の友情はないから それなら彼はどうなの? って今日も聞けなかったな あんなに恋してさ ...