春よ来い
春よ来い 今君の涙の果てに 少しずつ芽吹きはじめる 形のない ひとひらの温もりが そっと触れる 掛け違った あの時のズレが 今日も頭もたげる それでもまた 新しい季節が 来ると騒ぎ立てる いつの日か空を舞うイメージが 土の中朝を待ちわびている 春よ来い 今君の涙の粒が 少しずつ芽吹きそうなら 行く宛のない 描きかけの夢さえも 色づく気配 感じている その傘でしのげない夜が 長く降り続いても 穏やかな眠りを望みながら 水をやる 蕾が開くように 春よ来い 今君の不安の跡に さよならと別れを告げよう ...